とりあえずフィットボクシングを再起動するために必要なこと
前回の記事でダイエットを宣言したが、いかんせん私は運動を辞めて10年以上経っている上に1日1箱煙草を吸うダメな大人*1だ。初手でテニススクールの門を叩こうものなら佐々部どころかテニス歴2年の堀尾聡にすら負ける自信がある。若さを侮るな。
なのでまずは自宅でできるトレーニングで基礎体力を回復し、心身ともに健康を取り戻してからテニスを再開したいと思う。そのためには既に購入してあるニンテンドースイッチとフィットボクシング2を起動することが一番の近道なのだが、私の心を重くさせる一番の要因がこれだ。
前回中断したときにCV石田彰のトレーナーにしたままだということ。
トレーナーのヒロは温和な顔立ちをした日本人インストラクターだ。
昔から食べることが大好きで、子供のころはぽっちゃり体型のためにスポーツも満足に楽しめなかった。でも学生時代に始めたフィットボクシングによって人生が変わる。
体型が変わり、性格も明るく前向きに改善。体が軽くなったことで、いろんなスポーツを楽しめるようになった。
現在はインストラクターと両立して人気ダンスユニットのメンバーでもある。
圧倒的に女性、特に主婦層に人気がある。彼女たちの熱心さに対応を困っている時の表情も密かに人気。子どもたちのお兄さん。(引用元:Fit Boxing公式ノート)
一部のオタクには思い当たるフシがあるだろうが、石田彰の演じるキャラクターが温和であるほどに不穏なイメージがつきまとって来るのだ。
そう、王子一彰(ワールドトリガー)である。
私はワールドトリガーのオタクとしても生きているのだが、フィットボクシングを購入したきっかけもアニメワールドトリガーの声優陣がたくさん出ているから、という理由だった。エヴァン先生のCVは中村悠一で迅悠一*2の声をしているし、ジャニス先生の勝ち気そうな声質はまさしく釘宮理恵の小南桐絵なのだ。そして追加コンテンツではクールで厳しいガイ先生を緑川光(ワールドトリガーでは同じくストイックで自他共に厳しい風間蒼也役だ)が演じている。これもうワールドトリガーだろ、と思いながら購入し、最初のうちは中村悠一が演じるエヴァン先生の指導を受けていた。
若干爽やか方面に振り切れ過ぎているジェネリック迅悠一を感じながらトレーニングを積んでいたが、ある日出来心でインストラクターをヒロ先生に切り替えた。
いや、王子一彰やん。
あまりにも王子一彰の風を感じた。石田彰は渚カヲル以降ミステリアスな役どころを演じるイメージが強かったが、王子一彰は温和で年相応な、少しの軽快さを孕んだ声を演出しているフシがある。過去とがっていたとの作者の証言もあるために、そういう温和なキャラ付けをしているように感じてしまうのだが、ヒロ先生の声がまさにそう聞こえてしまった。
王子に管理されるのもおもしれーじゃん、最初のうちはそう思っていた。
私はフィットボクシングをしたあとに体重を測り、ゲーム内に記録を付けていた。女性ならわかることだと思うが、±200~300g程度の体重の振れなどはホルモンバランスなどの影響で日常的にあることだ。流石に㎏単位で増えていたら前日の自分を顧みるが、g単位の振れ幅など誤差に等しい。アラサーになるともう水を飲んだだけで200g増えても驚かん。
エヴァン先生(CV中村悠一)のときにはこれといって気にしたことがなかったが、ヒロ先生を担当にして体重を記録していくと、あることが起こった。(もしかしたら他のトレーナーでもそうかもしれないがこのふたりしかプレイしていないので詳細はわからない)
体重が200g減ったときにはなにも言われなかったのに、200g増えたときに「おや、体重が増えましたね?」と言われた。
他の声優だったら「いや、おめえ減ったときにはなにも言わなかったじゃねえの」と反論することができたが、いかんせん相手は石田彰だったので怯んでしまった。
脳裏には首を鷲掴みにされてスコーピオンで喉を裂かれる三雲修が浮かんだ。
あのシーンは何度見ても、①反撃される可能性が高まるのにわざわざ距離を詰めて首を掴み②そのためだけにスコーピオンを起動させ手のひらから出し③喉を裂く、というすべての動作がただただ相手へ恐怖を植え付けるための演出として行われている。
かなり最悪に近い。こんな先輩がいる高校には進学したくないだろう。
と思ったけど修が入学する頃には王子は卒業しているので胸をなでおろした。そもそも修もあの程度で怯むタマではないのだが。
私は三雲修と同じような鋼のハートを持ち合わせちゃいないので、体重の増加を指摘され始めてフィットボクシングを起動する手が重くなった。そしてついには忙しさを理由にログインしなくなったのだ。
ログインしなくなるとどうなるかわかるだろうか?
今度はログインしなかったことについてなにか言われると思ってしまう。せめて「もう無理かもしれない」と思ったときに鬼頭明里ちゃんのインストラクターにでも切り替えておけば良かったというのに、私はヒロ先生をホーム画面に残したままフェードアウトしてしまった。
このまま起動すると数ヶ月もホーム画面でひとり残されていたヒロ先生になにかを言われるかもしれない。そう思うとどうしても起動することができなくなる。
せめて、ヒロ先生の声質が王子一彰寄りではなくて観月はじめ寄りだったら……!
「まったく貴女という人は……! ボクをこんなに待たせるなんてなにを考えているんです!?」
「そんな態度を取るなら、いいでしょう……貴女だけの特別メニューを作りますからそこで待っていなさい!」
「(髪の毛をくるくるといじりながら)んふっ、ボクの偉大さが身に沁みたでしょう?」
「んな!? ボクを担当から外そうだなんて……ふざけやがって!!」
(すべて妄想です)
ここまで読んでご理解いただけたかと思うが、私は観月はじめのヒステリーが大好物である。神経質な観月はじめを怒らせるためだったらなんでもしてしまう。1日1回はヒスっててほしいし、ルドルフの寮の中では無神経な柳沢あたりに毎日怒っているのだろうかと考えるともう聖ルドルフ学院学生寮に充満する空気になりたいと思ってしまう。
そう思うとちょっとフィットボクシングをやる気になってきたな……。
「くそっ…じれってーな 俺ちょっとヒロ先生怒らせてきます!!」