カズヤくんに会いたいから痩せたい

徳川カズヤくんのために痩せたい女の日記です。

徳川カズヤくんをリアルに感じたいので男子原型を作図する その2~代表ジャージ作図編~

前回までのあらすじ

zettaiyasero.hatenablog.jp

前回の記事で徳川カズヤくんの男子原型を作図したものの、いまいち満足感を得られなかった為に代表ジャージの作図をすることになりました。

何故白ジャージなのか

というのも、前回の記事の通り、もっとなにかしたいと思ったのもそうなのだが、テニソニで再販された代表ジャージに、どうにも袖を通すことが出来ずに幾星霜経ってしまったというのも代表ジャージ作図の理由である。

刺繍入りだ

私は平古場凛くんのおばあなので凛ちゃんのジャージには身内特有の温厚無知さが働いて余裕で袖を通すことが出来た*1のだが、徳川カズヤくんの1軍赤ジャージは余りにも重さが違って*2袖を通すどころか商品のタグすらも切れていないのである。

すべてがプリントで作られているのに胸の日の丸だけが刺繍なことが尚更重い

平等院さんとの決死の戦いののち、日本代表を去ったリョーマを追うようにして姿を消した越前リョーガNo.4のピンバッジを引き継ぎ、W杯代表メンバーに選ばれた徳川カズヤくんの着る1軍の赤ジャージは、元々赤ジャージであった面々よりもずっとその重みが違うような気がしてしまうのだ。ただ、1軍の面々が赤ジャージに至るまでのストーリーが公開されたら誰に対しても「赤ジャー重い;;」と泣くことは目に見えている。そういうオタクだからだ。手首がドリルになっているので。

挙げ句、OVA版では合宿所を去るリョーガが「そのナンバーに相応しいと思う男にそれをやれ(要約)」と平等院さんにピンバッジを託したために、自らの手でボコボコに叩きのめした徳川カズヤという存在をNo.4の座に就かせたことが判明してしまったせいで、こちらはもう情緒がはちゃめちゃなのだ。

血反吐を吐いて手に入れた1軍ジャージに簡単に袖は通せないよ……!

また、こちらの原作ジャージはサイズ展開がSサイズ~Lサイズまでしかなかったのだが、どう考えても高校生たち、Lサイズに収まらない人ばかりでは?*3 と、実際に着用しているサイズのジャージが着たいという強欲さも顔を出してしまった。

  • 1軍ジャージを手に入れるまでの過程を考えると私は1軍ジャージには袖を通せない。
  • そもそも徳川カズヤくんはその1軍ジャージを人に貸したりしない
  • Lサイズは徳川カズヤくんの真のサイズではないかもしれない。

という3点の理由から、

  1. 私が袖を通せる。
  2. 徳川カズヤくんがワンチャン貸してくれるかもしれない1軍ジャージではないジャージ。
  3. 徳川カズヤくんの真のサイズのジャージ。

を作ることにした*4

徳川カズヤくんは作中では、高1で2軍白ジャージと革命軍黒ジャージ高2で2軍白ジャージと1軍赤ジャージを着用している。高1時点の身体情報が公開されていないために黒ジャージは3を満たすことが出来ない。赤ジャージは最初から袖を通せそうにもないので1も2も満たさない。つまり残された選択肢は白ジャージしかない

2のカズヤくんが貸してくれるか否かというのはもうカズヤくんとの関係値の問題ではあるのだが、そもそも2軍ジャージですら貸してくれない可能性すらある*5。ので、もう貸してくれるとかくれないとかそういう次元から飛び出すことにした。

平等院さんと試合したときの血まみれのジャージ、流石に捨てるだろ。

もしかしたら辛酸を舐めた日々の象徴としてジャージを取っておく可能性というのも捨て置けないが、物に縋るよりも鬼・入江との約束を胸に頑張って欲しいと思うので、あのときのジャージは流石に処分されたと思いたい。OVA版ではその日の夜の自主練でまっさらな白ジャージを着ているので、スペアの用意等はされているはずだ*6

洗濯の授業*7で血液汚れの落とし方まで完璧にやったので、私に預けてくれればあの白ジャージに着いた血液もまっさらにしてみせる。万が一無理だったとしても大学の同期がクリーニング屋なので安心してください。

私は捨てられるであろうジャージを拾うことにした。

ということで、張り切って白ジャージを作図していこう*8

作図の準備

作図をするに当たり必要なものはデザイン画とアイテム画である。立体的に描写されたデザイン画をベースとして平面にわかりやすく描写したアイテム画を作画し、それを元にして作図へと落とし込んでいく。

原作においてジャージのデザインは確定しているのでデザイン画は省略するが、アイテム画は作図のとっかかりとして重要なため、まずはアイテム画を描き起こす。

こんなところで本気を出すな

大学時代はデザイン画もアイテム画もド下手くそで毎日憂鬱だったのだが、のちに自分の所属しているクラスにやたらと絵の上手い人間が多すぎたため、そもそものハードルがぶち上がっていただけだったことに気付いた*9。それでも私がCMYK+白で絵の具を混色をすると何をしてもドブ色になってしまう事実は変わらないのだが*10

先生、私こんなにアイテム画が上手になりました。ただ私は今まるでアパレルと関係ない仕事をしています。

ざっとアイテム画を描いたものの、原作とアニメと新テニミュを見比べているとあることに気が付いた。

これに気付いたとき深夜に大暴れしてしまった

袖の下の赤ラインがテニミュにあって原作にはないのだ。

上側の赤ラインは共通して存在している。そのラインが肩から衿につながっているのも共通だ。ただ、袖下の赤いラインについては、新テニミュの衣装にしかないラインだ。一応他のジャージ(赤/黒)も確認したが、そのいずれも袖下の赤ラインは確認できなかった

胸元の横切り替えにあるラインからの流れを考えると腕の袖下側にもこの赤ラインが入っている方がデザイン的にも収まりが良い……おそらくそれらの意図からテニミュ側の衣装にはこのラインが入ってるのだろう。そして集英社のチェックも通っているはずだ*11

原作になくて、集英社チェックの通っている衣装ではあるライン……。デザインの収まりを考えると……ううっ……、頭が……。

デザイン性を優先すべきか、原作の再現性を優先すべきか、身体と心が引きちぎれそうなほどに悩んで、一心不乱に原作を読み返した。

すると。

徳川カズヤくんが表紙を飾る新テニスの王子様12巻「Golden age112 2人の過去」の扉絵において徳川カズヤくんが着用しているジャージにはこの赤ラインが存在する!!!!

ついでに他のもチェックしたら丁度告知のあった複製原画*12リョーマ白ジャージも袖下の赤ラインが入っていた。カラー原稿では入っているようなので、カラー原稿準拠とさせていただく。

よし、袖下の赤ラインも入れましょう。だってそっちの方がかっこいいから。

作図をしよう

前回作図した文化式男子原型は、作図のベースとなるなんの装飾もゆとりもないパターンなので、こちらにジャージとして相応しい、運動機能を妨げないゆとりを加えながら作図をしていく。

身頃の作図

身頃作図 ハトロン紙が折り目で汚えのはご愛嬌だ

ラケットスポーツであるテニスにおいて、腕の可動域はシビアな問題であるため、どれくらいのゆとりを入れるかは正直かなり悩んだ。

比嘉ジャージMサイズと代表ジャージLサイズを比較すると、なんとMサイズであるはずの比嘉ジャージの方が袖幅が広いのだ。お前らは下に着ているユニフォームに袖すらもないのに、なにをそんなにゆとりが必要なのだ、と思いはしたものの、風土的な意味で締め付け等を嫌うためか、はたまた代表ジャージのスタイリッシュさを際立たせるためか、ジャージの種類によってここまでパターンが違うことに驚いた

私が富豪だったら全てのジャージの全サイズを取り揃えて分解し、パターンに起こし直して再構築するだろう。ジャージのグレーディングのことがまるでわからないので、MサイズをLサイズにするのも良く解っていないのだ。だのに2Lサイズの徳川カズヤくんのジャージを作ろうとしているのはもはやバグだろ

あとそもそもの話をするとテニスの公式戦において申請可能なウェアはユニフォームのみなので、ジャージを着用したまま試合に臨むことは不可能*13なのだが、テニスの王子様においてはジャージのまま公式戦に出場するため、ジャージでのプレイも想定して作図しなければならない。

Lサイズの代表ジャージよりもゆとりあるパターンになれば良しとし、身頃では元の脇線から5.2センチのゆとりを追加。袖のカマ底は5.5センチ下げて腕付け根の可動域を確保した。

あとは適宜切り替え線を入れながらバランスを整えていく。おてふぇすの公式代表ジャージはびっくりするくらいプリントで出来ていたのだが*14、今回の白ジャージはすべて切り替えを縫っていくこととする。

一番入れるかどうか迷った部分は、脇の切り替えを利用したウエストダーツである。正直運動量の多いジャージ類でダーツを入れることは基本的にはないのだが、「Golden age118 阿修羅の神道へ」の2ページ目の徳川カズヤくんを見ると、あまりにも身体にフィットしているので、どうしてもウエストダーツを入れたくなってしまった。

まあこれを着て私は運動をしないと思うので*15、もう性癖に正直になってウエストダーツを入れることにした。前身頃で2センチ、後ろ身頃で2.5センチのダーツを入れる。これで(2+2.5)×2面=9センチの絞りがウエストに入る

また、切り替え位置にはアイテム画に準じて適宜パイピングを挟むこととする。パイピングとは芯を生地で包んだものを縫い目のあいだに差し込むことによってアクセントとする技法だが、正直これが面倒くさい。これを入れることによって工賃は跳ね上がるはずだ。

パイピングを挟んだことによる縫いずれや縫い代のゴロつきが死ぬほど嫌いなので、可能な限り縫製を減らすために脇部分は極力繋げて裁断する。作図中で◎印がついている部分が繋がって裁断する部分だ。

※作図後にやっぱりポケットが欲しくなったので脇縫い目にシームポケットを入れる関係で続け裁ちができなくなりました。

柄合わせがどこまでも私を追い込むぜ……!

また、袖から繋がっている肩の赤いラインは、パイピングではなく赤のラインテープをミシンで叩くことにする。これによって切り替えを縫い合わせる工程が減る。パイピングよりも太いラインテープとするのは、新テニミュ準拠。ラインの太さが異なるほうがアクセントが効いていてかっこいいので

袖の作図

袖の作図 腕が長すぎるので紙を足した これはあるあるです

袖はドロップショルダーのシャツスリーブとする。

ドロップショルダーは肩線のジャスト位置ではなく肩先から落ちた袖付線となる。肩幅の大小にあまり囚われることなく万人が着こなすことができるので、ジャージやスウェットなどカジュアルな衣類によく見られる袖付線だ。

シャツスリーブはその作図の特性上、袖山が低くなるため、袖幅にゆとりを持たせることができ、平置きすると身頃に対して袖が垂直に近い形で伸びることから、十分な運動量を確保できる。どちらもスポーツウェアに適した袖の要素である。

袖リブの絞り加減には悩んだが、平均的な手首径に準じたものにした。徳川カズヤくんは腕を捲りそうにもないので……*16

袖山の作図が正直合っている気がしないんですが、もう袖が付けばいいだろ、と思うようになってきた。最悪トワルで補正します*17

衿作図

衿の作図 ここも切り替えが多くて目眩がする

衿の高さが7センチと高いので、立ち上がりは1センチと低くすることで顎周りにもゆとりが出るようにした*18。特にカズヤくんはジャージを上まで上げるタイプの人なので、顎の下で鬱陶しくならないようになっている。

この衿部分は袖、身頃から繋がった切り替えのラインが特徴的なので、これらすべてのラインがきちんと繋がるように縫製しなければならない。

大学時代に私が最も嫌いだった作業が「柄合わせ*19なのだが、今回のジャージ、余りにも柄合わせが多すぎる

また、更に厄介なのが、こちらの衿の作図では、上端側が直線ではないために、首の裏側に回る部分(見返し)を繋げて取ることはできない。通常であればなんの柄も入っていない身頃の生地で見返しを裁断し数ミリ控えて表に出ないように中縫いすれば良いのだが、原作でも新テニミュでも、見返し部分に柄が入っている。なので、見返しも同様に切り替え線を縫わなければならない。

立ち上がりを1センチ取らずに0センチにすれば衿は直線になり、この問題は多少楽になるのだが*20、この衿の高さで立ち上がりを取らないと、首に沿わない形で衿が前に出てしまい、見栄えが悪くなる。

ここまでかっこよさを優先して作図をしておいて、洋服の顔とも言える衿で妥協をするわけにはいかない……ので……見返し部分も同様に切り替えで柄合わせを行うこととする。

次回、型紙作り

ここまで作図を行ってきたが、次は生地の裁断に必要となる型紙を作成する。基本的には作図の構造線通りに写し取り、適宜縫い代を追加する。型紙~裁断まではかなり細かいパーツがたくさん出る(予定)なので、慎重に作業を進めないと死ぬ可能性がある

ただ、型紙を作成することによって必要な布地や資材の数も把握できる。購入する生地幅が事前にわかれば生地自体がなくてもマーキングはできるので、予算を出す意味でもマーキングは早めに行いたい。

また、使用する副資材(接着芯やテープの選定)には本生地が必要になるので、早めに生地は選定して、芯地とテープの実験も行う必要がある*21。ここに関しては新卒時代の仕事と直結しているので、面倒くさい工程ではあるものの無視できない自分がいる。

ポリエステルのストレッチ素材に適した芯地と接着テープの選定は下手をすると剥離につながるため、接着強度の実験ができればベストなのだが、残念ながらここは新卒時代の会社ではないのでばね秤がない*22。せめて風合いを損なわない芯地が選べれば良い程度に妥協したい。あとモアレが出ない芯地。

あ~~~~当時の品番なにも思い出せないよ!!!!!プリンスたちの名前はほぼ全部覚えているのに!!!!

*1:あと平古場凛くんは好きな子が困っていたらジャージを貸してくれるタイプの男だと思うので。

*2:物理的な重さで言えば比嘉中ジャージの方が重たかった。紫と白地の切り替えがある分、代表ジャージよりも布の量が多いため。

*3:越知先輩(226cm)がLサイズ着られるわけがないだろう。

*4:当たり前のように書いているが、何故?

*5:悲しいかなそんな徳川カズヤくんが好きだ。

*6:吐血したその日に夜練すな。

*7:大学で本当にあった。洗剤と汚れの種類と洗濯機についての授業。

*8:どのメンタルでこんなことを言っているのか。

*9:大学時代の友人が万垢の絵描きだった。

*10:隣の席でデザイン画の授業を受けていた幸村精市のオタクも同じくドブ色製造機だった。

*11:前職でメディアミックス作品を担当していたために、公に出されるものはすべて関係各所でチェックしていることは知っていた。

*12:『新テニスの王子様』額装高精細デジタルカラー BB4: イラスト/プリント|集英社ジャンプキャラクターズストア

*13:服装規定において、男子はトップスに襟付きシャツもしくはゲームシャツ、ボトムには膝上のパンツ、女子はワンピースタイプのゲームシャツないしは、トップスに襟付きシャツもしくはゲームシャツ、ボトムにはスコートもしくはショートパンツと定められている。テニス専門店のフォロワー談。

*14:作図をしてみて思ったが、この切り替えの数を工程表に起こすと目眩がしそうだった。すべての切り替えを色替え生地で行うとたぶん単価が倍になる。プリントなのは責められない。

*15:突然身も蓋もない。

*16:というか真夏のオーストラリアでジャージ着たまま試合できる精神がすごい。私はプレー中に袖が鬱陶しいので真冬でも半袖ユニフォームだったし、陸上部時代は袖なんてもの無縁だった。

*17:そして増えていく作業工程。

*18:3センチ程度の衿であれば、2~3センチ程度立ち上げた方が首周りに沿ってすっきりとした作図になると思う。

*19:チェックやボーダーなどの柄物の生地を、縫い目で柄がきれいに跨るように調整して裁断・縫製すること。

*20:続け裁ちにできるので。

*21:本製品作ってるの?

*22:まあいうても外観変化の確認はできるよね? 寸法変化も洗濯しても落ちないペン使いな?