カズヤくんに会いたいから痩せたい

徳川カズヤくんのために痩せたい女の日記です。

徳川カズヤくんをリアルに感じたいので男子原型を作図する その1

好きな人ができるとありとあらゆる情報を知りたくなるオタクです。

 

というわけで(どういうわけ?)ありとあらゆる情報をくれる*1テニスの王子様はサイコー神ジャンルではあるのだが、新テニスの王子様から参入の高校生たちの情報は少ないのもまた事実。それもそのはず、既存キャラに関しては無印ファンブック10.5巻/20.5巻/40.5巻を経て新テニファンブック10.5巻及び23.5巻の5冊分の情報量があり、かつ時を経て情報が更新されている程であるのに対し、新テニキャラは2冊分の情報しかないのだ。

特にキャラをリアルに感じるために私は身体のすべてのサイズを知りたいと思ってしまうのだが好みのタイプすらも教えてくれない(というか考えたこともないらしい)徳川カズヤくんは殊更に情報が少ないように感じてしまう。今すぐ靴のサイズを教えてくれよ!!!!!!*2

情報を食べるタイプのモンスターなので、この情報の少なさがもどかしい……。

でも、情報が少なくても、データを弾き出すことは出来るじゃん……?

テニスの王子様は私たちにデータテニスを教えてくれた。ありとあらゆる可能性を加味しながら蓄積されたデータを元に、プレーを予測し対応する。ノルマでもあるのか? と思うくらいに、各校様々なタイプのデータマンが存在するジャンルだからこそ、情報の少なさというディスアドバンテージに屈するわけにはいかないのだ……。

だが……。

私は出身高校がめちゃくちゃな理系だったにも拘らず、普通科クラスに所属していた。高1の化学ではジャンルによって成績の振れ幅が信じられないほどでかく、先生には人格が入れ替わってるのかと疑われ、最後のテスト返却では「これで化学から開放されるね! よかったね!」と言われる程*3。高2の数学のテストでは5点を取り、数学準備室に頭を下げに行ってギリギリ進級した過去がある*4。その後の高3の履修登録では一切の数学科目を選択せず、全てを社会系科目に振り替えたため、週8くらいで社会系科目を受講する羽目になった。

理数科であるH組に近付くほど理系と言われていた我が校で屈指の私立文系クラスのA組だったことが、私が真の理系となれなかったことの証左である*5

理系じゃないのにデータを……扱う……? ゆとり世代で統計の授業もしていないのに……*6

 

出来らぁっ!

 

苦手な理系科目なら自分の土俵に持ち込めば良いのだ。敵の土俵で戦わないことが勝利への第一歩。スターバイブルテニスで白石が教えてくれたのだ。理系でない私が、数少ない情報から弾き出せるデータ……それは……。

服のサイズだ。

地味だと思った人もいるだろう。いくら性別が違っても身長がわかるのだからおおよその予想なんて出来るだろ、って?

確かにあの身長であれば2Lか3Lサイズであることは容易に想像できるだろう。ただ、徳川カズヤくんは痩せ型寄りの普通体型であるため、2L及び3Lの衣料を着ると身幅が大いに余って野暮ったい印象になってしまうのだ。自分に似合った洋服選びはブランドでも値段でもなく、如何に自分の身体に適したサイズ感のアイテムを身につけられるのかの戦い。

田仁志慧くんと知念寛くんの身長は2センチ差しかないが同じ服のサイズなわけがないだろ!!!!!!!!!!

 

そう、私は徳川カズヤくんのジャストサイズの原型を作りたいのだ。

「原型」とは

服装造形学で「原型」という場合には、種々の衣服パターン設計の基礎となるパターンをさしている。すなわち最もシンプルなデザインで、かつ立体的に人体に適合させている衣服のパターンをさしており、体部別に上半身原型、袖原型、下半身用のスカート原型などがある。

 

原型という言葉は、いろいろに応用されたり、変化したりする前の、元の型(type)または形(form,shape)というような意味で、さまざまな場面で用いられる。服装造形学で用いる場合は、パターンメイキングを平面作図法によって行う場合に用いる基本パターンをさして原型と呼んでいる。

 

(引用:文化女子大学講座「服装造形学 理論編Ⅰ」2012年3月1日 第3版第4刷発行 121頁「Chapter5 原型論Ⅰ」より)

つまり徳川カズヤくんの原型を作ることによって身体のサイズ感を推測できるってワケ。ついこのあいだ徳川カズヤくんとの身長差を感じたいあまり家の柱にカズヤくんの身長を印そうとしたら*7私の寝室が和室の造りであったために鴨居の位置をゆうに超える身長をしていて恐れ慄いたのだが*8、それを全身*9で体感できるのが原型ってわけなのです。

ここまで読んで「こいつ何を言っているんだ?」と思った人もいるだろうが、私は家政系の大学を卒業しており、その中でも服装造形学を専攻していた。同じく家政系大学出身のフォロワーには「あそこの大学はガチのアパレル」とまで言われるような「服の一つも仕立てられないのなら去れ」と言わんばかりの専門大学だった*10

もう前述の引用から大学名までほぼバレているがあの頃の大学にはテニスの王子様のオタクがいっぱい居たので些細なことのように感じてしまう。クラスの半分近くがテニミュを見たことがある奇特な大学*11だった。ていうか音楽の授業でテニミュ流れたもんね?

大学時代は作図用のハトロン紙と布切れにまみれ、ミシンの糸調子に翻弄されながら生活をしていた。泣きながら夜中にデザイン画を描き、作図用紙にキレながら布を裁断し、ロックミシンの音の五月蝿さを誤魔化すように大音量でテニミュを流しては課題をこなしてきた。

兎にも角にも大学時代は作図が大嫌いだったのだが、教授推薦で入社してしまった*12会社では量産の工場などにパターンの指導をする部署に配属されてしまったために、販売前のサンプル品とデザイン画、その型紙をにらめっこしながらああでもないこうでもないと修正箇所を指摘しまくっていたので、作図へのアレルギーは多少薄れた*13

なので。(?)

 

原型を作図します。

やるったらやるんだよ。出来るか出来ないかじゃない。

 

ということで被服造形のための人体計測点はこちらです。

身長、頸椎点高、頸窩点高、肩先点高、後腋窩点高、乳頭点高、乳房下縁位高、WL高、腋点高、腹部前突位高、腸棘点高、臀部高突位高、大腿最大幅位高、股高位高、膝蓋中点高、外果点高、全頭高……

多すぎる!!!!!!!!!(発狂)

これだけでまだ垂直投影における高度の計測項目だけなのだ。つまり「高さ」にあたる項目。この他に左右径(幅)、前後径(奥行き)、角度(肩の角度など)、周径(ウエストなど)に加え実長(身体の凹凸を加味した長さ)も計測項目に含まれる。

その数はなんと100近くにのぼる。

大学1年生の頃には自身の人体計測の際に下着姿で体中に計測点をマーキングされ、360°から写真を撮られたり挙げ句3Dスキャンされたりして自分の身体と向き合わされた*14。そのため360人近い学科生の中で自分の身体がどのような位置にあるのかを否が応でもわからされ*15、自分の肩幅の広さに泣いたりもした。なんで身長は平均ちょっとなのに肩幅が学年一デカいんだよ*16

私が100近くに及ぶ計測を経て全身のデータを手にしているのに対し、徳川カズヤくんの公開されている身体情報は身長、体重、そして視力のみ……。百歩譲って身長/体重からBMIが算出出来るが、視力に関しては今は必要ない情報である*17

そこでこちらのデータ群を使用する。

国立研究開発法人 産業技術総合研究所による「AIST人体寸法・形状データベース1997-98」だ*18

こちらのデータには、19歳~29歳の青年男性110人の人体採寸項目49項目がデータベースとしてまとめられており、平均値や標準偏差なども算出されている貴重なデータ群である。こちらのデータを用いて徳川カズヤくんと似た体型をしている男性のデータをいくつか抽出し、採寸値の傾向を分析し回帰式に当てはめれば自ずと徳川カズヤくんの推定採寸値が出るはずだ。

こんな感じでBMI値を追記していく

まずはこちらのデータにBMI値を追加する。BMIは体重(kg)/身長(m)²で算出される。徳川カズヤくんのBMI値は19.8(71kg時)であるため、±0.5の範囲にあたる「19.3~20.3」のデータにマークを付ける。

すると、22件のデータがヒットする。こちらのデータが今回用いる主要なデータとなっていく。ちなみにこの作業の前に被験者110名の最高身長のデータを確認したが「183.9cm」の被験者が最高身長で、BMI18.6とかなりの痩せ型であった。ここでジャストサイズの被験者がいればそちらのデータを流用するつもりだったが使用は断念した。

落ち込む私

これが小野健斗演じる徳川カズヤくんであればBMI18.6でも良いかもしれないが、私が欲しいのは原作の徳川カズヤくんの原型なのだ。妥協は許されない。赤澤もそう歌っていた*19

こちらのデータの平均値と標準偏差を出し、標準偏差が有意差の範囲であることがわかれば、回帰式が作れるはずで……。うっ……頭が爆発しそうだ……。

わけが分からなくなっている私

私が大学で習っていた「文化式原型」の作図では、すべての数値を「胸囲=バスト囲(男性ならチェスト囲)」から換算して作図する。すなわち作図における必要項目はすべて胸囲の数値を用いた関数で表せるということなのだ。

何故このように胸囲の数値のみを用いて作図するかというと、下記2点の理由がある。

1.測定項目が多いと、測定者によって数値にばらつきが出る可能性が高まるため。

2.高齢者や児童相手に多数の計測点を正確に測定することは被験者への負担が多いため。

つまり誰でも簡単に測れる箇所で、なるべく負担なくさっさと計測を終えて作図しようね、ということである。

3年次の「パターンメイキング演習」という授業では実際にクラスメイトを被験者としてその実験を行ったし、私はその100ページにも及ぶレポート*20「A゜判定」という最高評価を貰っている。

だというのに当時の記憶が何も思い出せない。どうやって係数を出したかとか標準偏差の有意差だとか、肝心の回帰式も何もかもわからん。10年近く前のことなのだから無理もない。

原型の作図においては必ず対象の必要寸法はすべて実際に計測したものを使う。

存在し得ない人間の原型を作ることなどないのだから、この回帰式を使うことなど殆どなかった。そもそも女子の胸囲は体重や身長と比例の関係になることはほぼない(=身長がでかい、体重があるからといってバストが大きいとは限らない)為に、有用な回帰式であると言えるのか……? 男子であればまだ当てはまる可能性があるのか。私がやっていることは無駄なのか……?

持つべきものは若俳オタクの友

Twitterで大暴れしていると、身長188cmの推し(生身の実在人物)を持つ友人が声をかけてくれた。何故サイズ表を持っているのかはわからないが、これを使わない手はないので藁にもすがる思いで即答した。

5秒後にはDMでサイズ表が送られてきた。おそらく個人イベントで配られたものだろうか。個イベでサイズ表を配るってなんだ。でも若俳の個人イベントで冷静になったら負けなのだ。

ありがとうA川T陽~~~~!!!!!

ということで身長188cm/体重72kg/BMI 20.3の詳細な計測データを手に入れたので作図に取り掛かることにした。日本産業技術研究所にはデータをいただいたというのに有効活用できなかった自分が不甲斐ないが、このデータを有効活用できそうな人がいれば推しの体格を知るためにデータを取り寄せてみてはいかがだろうか。(何?)

 

男子原型の作図

私が在籍していた頃は女性向けの衣料について勉強する場だったために、基本的には大学生活において男子原型を使用することはなかったが、大学時代の教科書を引っ張り出すとちゃんと男子原型の作図方法が載っていた。Bと書かれているところが胸囲に当てはまるので、友人からいただいたデータを参考に胸囲を計算して基本形を作図していく。

徳川カズヤくんの原型

原型の作図自体はものの30分くらいで終わった。すべてのパターンの基本となる原型は形もシンプルでやることが少ない。女子であれば胸ぐせダーツの量を計算したり、ウエストダーツの分量がどうこうするのだが、男子においてはその工程もないため、驚くほど簡単にできてしまった。

ということで徳川カズヤくんの推定採寸値はこちらとさせていただいた*21

基本的に脚の長い男が好きです

ここまであっさりと原型が出来ると、なんというか……こう……もっと私はやれるのに……! という気持ちになってくる。かつてアイドルものの舞台に推しが出るとき、何を狂ったか一番好きな衣装をすべて自分で作った上でマネキンに着せてそれをお花で装飾してもらったフラスタを出した私だ。大学ではウエディングドレスまで作り方を学び、カクテルドレスはこれまで3~4着ほど作った。メンズであればテーラードジャケットまでは作れる。

 

徳川カズヤくんが着ているものを……作りたい……!

 

次回、代表2軍ジャージを作図します。

 

*1:視力も知れるジャンルが存在するか?

*2:何に取り憑かれているの?

*3:ちなみに高2の選択科目で化学演習を取ってしまったことを伝えると「バカじゃないの!」と怒られた。高1当時の志望大学の入試要項で化学か生物が必要だったためである。

*4:うちの高校は単位制高校だったため、2期連続で赤点を取ると単位を落として留年が確定する。なお補習などの救済措置は公式に存在しないため、赤点を取ったあとの身の振り方を間違えると普通に留年する。そんな確定演出はやめろ

*5:中学までの数学は正直根性でどうにでもなるレベルだと悟った。

*6:塾講師バイト時代に統計の問題がテキストにあったとき、生徒を5分待たせて概要を無理矢理に詰め込んだレベルの知識しかない。

*7:持ち家なのでご安心ください。

*8:そののち、和室に入る徳川カズヤくんは部屋の入口をちょっと潜って入るのか……と興奮した。

*9:今回は上半身原型を作図するので上半身のみであるが……。

*10:併設の専門学校は殊更に厳しく、期日までに課題が終わらない生徒はどんどん消えてゆく。大学も長期休みの度に生徒がごっそり減った。

*11:だいたいテニミュとペダステとハイステに通っていた。

*12:就職を事故だとでも思っているのか?

*13:だが残念なことにパターンメイキング検定は持っていない。

*14:上裸で石膏を塗られたり、ファッションショーがあればバックヤードで衣装替えのために裸で走ったりもした。

*15:人生で初めての「わからせ」である。

*16:私の存在が肩幅の標準偏差をめちゃめちゃにし、計測ミスを疑われ再計測までされたが結果は覆らなかった。

*17:貴重な情報であることは確かなのだが……。

*18:データは誰でも取得可能。AIST人体寸法データベース1997-98 | 研究チーム | 人工知能研究センター

*19:「選ばれしエリート集団」参照。

*20:うちの大学ではこれが卒論の前哨戦と呼ばれていた。つまり卒論はもっと長いってことよ。

*21:でも皆さんそれぞれに徳川カズヤくんの理想があると思うので、我が家の徳川カズヤくんをこう定義させていただいてます。